interview 桐生市・みどり市
認知症ガイドブック
ご本人の声(全編)

【ご本人の声】

桐生市・みどり市認知症ガイドブック、12ページのご本人の声の全編です。
桐生市在住のぐんま希望大使 橋本さんと奥さんにインタビューをさせていただきました。



-自己紹介をお願い致します

(本人)
橋本好夫です。80歳です。令和5年の12月にぐんま希望大使となりました。
3年前に認知症と診断されました。今は月に一度受診しています。


-認知症と診断を受けたときはどんな気持ちでしたか

(本人)
ただ、びっくりですね。

(奥さん)
なんで俺が、と言ってましたね。


-認知症という病気はどんな病気か知ってましたか

(本人)
ちょっと自分でははっきりはわからない。何で病気なのか自分ではわからない。


-診断を受け生活をしている、「今」の心境を教えてください

(本人)
生活にはまったく変化はないですね。心境も特に大きく変わってないですね。

(奥さん)
落ち込むこともないし。

-その時はショックがあったけど、気にしないということでしょうか

(本人)
そうですね、意識したことありません。ごく普通に生きているので気にしたことないですね。
普段は自分では認知症と思いません。診断結果などを見ると自分がそうなんだぁと思いますけど。


-奥さんにお聞きします。診断を受けたときの心境と、今の心境を教えてください

(奥さん)
いずれは自分たちもなるし…と思ってましたが、ショックでしたね。
私がしていないことに対して(本人の思い込みで)攻撃を受けた時は辛かったですね。
今になって思えば病気だったんだな、と納得できます。
今はおもしろいこといって一緒に笑いますし。


-同じ話を何度もすると伺っていますが、その時はどのような対応をされているのでしょうか

(奥さん)
今日の日付を何度も確認しますね。
ちょっとイライラすることもありますし、ムカっとくることもありますけど、介護者仲間で思いを共有しています。仲間がいることも心強いですね。


-認知症かもしれないという段階で免許を返納しましたがそのときのお気持ちをお聞かせください

(本人)
ショックはありましたね。でもないものはしょうがないと諦めましたね。

(奥さん)
時々、車があればなぁと言ってましたね。免許返納は覚悟したのかな。

-車の運転やめてからは出かける時はどうしてますか

(本人)
自転車でちょっと近くに行くくらいかな。毎日自転車で散歩してますよ。
多少でも運動しようと思ってね。

-出かけるのがいい刺激になりますね

(本人)
自宅にいるよりも外に出た方がいいからね。気分転換になるし。


-趣味や楽しみにしていることを教えてください

(本人)
俳句です。


-何かいい俳句がありますか

(本人)
色づきし みかんは 朝日はね返す
妻ありて こその八十路や ユズこしょう


-日記も書いていらっしゃるんですね

(本人)
昔から書いてますね。朝起きて書いて、夜寝る前にも書いています。大したことでなくても書くことが大切なんだと思います。

(奥さん)
時々書くのを忘れてしまうこともありますが。
近所の人と出かけたことなども書いてますね。読むと思いだすみたいです。


-他に楽しみはありますか

(奥さん)
月2回日新カフェにいって運動しているし、本人ミーティングで人と会うのも楽しみみたいです。

(本人)
散歩することも楽しみかなぁ。あとは妻との買い物かな(荷物持ちですけど)。


-これから認知症と診断されるかもしれない方にメッセージをお願いします

(本人)
基本的には気にしないことです。気にしないことが一番、他に目を向けることが大切だと思います。趣味を探すとかね。